今回は以前大きなニュースとなった、
京都アニメーション放火殺人事件について、
ビルメン目線で事件について考えを纏めてみました。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
ビルの消火設備は想定外の火災に弱い
ビルの消防設備は部屋や場所の使用用途で感知器の種類、消火方法を変えています。
一般の部屋ならスプリンクラー等による自動消火(消防用水で消火)
※一定距離に消火器も設置してます。
駐車場なら自動車の燃料漏れ等に想定した泡消火
(流出した燃料が気化しないように泡が覆いかぶさり、窒息消火効果があります。)
厨房フライヤー等は油火災を想定した強化液消火(水だと逆効果の為)
電気室なら水による水損を防ぐ為、
ハロン消火(不燃性のガスを噴射し、燃焼に必要な酸素を遮る事で消火出来る。)
その他消火器・屋内消火栓・屋外消火栓等様々あります。
水系消火設備は逆効果
ガソリンは比重が軽く、水に浮きます。
つまり、火災が起こりスプリンクラーが作動する(爆発で正常に動いていたか不明ですが)
水が撒かれると、その水の上をガソリンが流れる為、延焼します。
さらに表面積が大きくなる事でさらに気化する速度も速くなります。
初期の初期なら、消火器でも効果ありますが、今回の様に一気に燃え広がる事、
黒煙等で使用は無理だと思います。(あくまで初期火災だけ)
撒かれた場所が最悪
1階から3階に繋がっている螺旋階段の1階に撒かれた事、煙突効果も
煙突効果(えんとつこうか、英: stack effect)とは、煙突の中に外気より高温の空気があるときに、高温の空気は低温の空気より密度が低いため煙突内の空気に浮力が生じる結果、煙突下部の空気取り入れ口から外部の冷たい空気を煙突に引き入れながら暖かい空気が上昇する現象をいう。
※Wikipediaより
螺旋階段で吹き抜けになった事で煙突の様な役割を果たし、一気に燃え広がった、更に1Fから3Fに黒煙が一気に流れ充満したのも被害を拡大させた理由だと考えられます。
ビルメンとガソリン・引火性液体について
ガソリンは、4類危険物、第 1 石油類で条例によって取り扱いに規制されています。
ビルメンも資格4点セットの一つ、危険物取扱者(乙4類)や、発電機の燃料は引火性液体です。
扱い方や管理方法を誤ると大惨事を引き起こすので、注意していきたい所です。
最後に
爆発により消防設備が全滅します。
作動しても先程の水系消防設備なので逆効果です。
40ℓもの大量のガソリンが撒かれた時点で消火は諦め、直ちに逃げる事、命を守る事を優先する事が大切だと感じました。
※実際現地で判断するのは難しいし、動けない場合が殆どだと思います。。。
これ以上被害者が出ない事を祈っております。